震災日記3【 道路じゃないプールだ!】2011年3月13日㈰

※写真は松島観光協会のもの。
【テーマ】
なし。なんの学び、お役立ち情報でもありません\(^o^)/
【前置き】
のちに『東日本大震災』と呼ばれるあの地震から10年が経ちました。
私は実はいまだに思い出すと胸がざわざわするので宮城県に再来できていませんし、
震災関係の番組も見ません。発信もしていませんでしたが、
今年は解放していこうと思います。
記録してある日記と写真を観て思い出しながら当時の心境と環境の事を
何日かに亘って書いていきます。
【本編】
2021年3月13日㈰午前6:00位
避難サバイバル生活2回目の朝だ。
勤め先のホテルにこもりっきり。
客室で寝泊まりするが、トイレはお客さんがつまらせてしまったので、使えない。
近くの川か建物のうらでするしかなかった。
※客室備え付けの非常用懐中電灯が重宝した。
水の補給が全くないので、洗髪、洗顔や歯磨き出来ず、着替えてもいないので
気分は良くないが、皆で生き抜いてやる!という気力に溢れている。
この朝からお客さんの人数も減り、食事をつくる量も減ってきたので、
厨房は3つのグループに分かれて、交代制シフトで作業をしようという事になった。

家庭のある人で遠方から通いの人を優先して、帰路につかせた。
石巻や仙台市の人が当てはまる。
相変わらず電話は不通なので、情報はない。
道がどこまでなら繋がっているかわからない。
陽のある明るい内に、ガソリンの持つ限り、家族のもとへ向かうのだ。
寮住まいや、一人暮らしの人は居残り組である。

朝一、先輩のKさんがO君と共にボートで石巻へ向かう。
(再挑戦)と記録にあるのだが、
お客さんはバスで帰れているので、
おそらく仙台方面は道が通じていて、
石巻方面は道路がまだ浸水していたのだと思う。
※夜先輩Kさんはホテルに戻ったと記録にあるが、どんな様子だったかはわからない。

【朝食】
おにぎり
トマト と記録にある
Oさん M也 Tの つよし A美 A二
と書いてあるのでこのメンバーが作ってくれたのだろう。

※食器について
昨日、3月12日から、紙皿にも限りがあるし、食器をあらう水がないので、
丸皿にラップを敷いて、使用したのを覚えている。
ホテルにはラップが大量にあるのだ。
確か箸はポケットに入れて持ち歩いたと思う。

【初めてホテルの外へ】
昼出勤と記録に書いてある。
私はホテルの近くにアパートを借りていたので、
様子をみにいこうとしたら、道路一面がまるで池のようになっていたのだが、
自転車にのっていけば高さがあるから行けるかも!とチャレンジしたが、
ひざまで沈んでいったところで引き返した。
「これは道路じゃない、プールだ!!」
たどり着いた先で、シャワーや風呂があるなら泳いでもいい。
けれど飲み水さえ貴重な今は無理だ。やめておこう。と思ったのでした。
近所の工務店さんや以前勤めていたSホテルの様子を見に行った。
※おそらく誰とも話していない。
知ってるはずの景色が、知らない景色になっていて呆然としたのだろうと思う。

【昼食】
焦げた味噌汁
ビーフシチュー?ビーフン?※記録した字が読めず(-_-;)
めし+のこりのおにぎり

【夕食】
O井 S木 松下(私)T中 Hき Mき Yすけ
が担当したようだ。
大根つま、人参、豆腐、カンパチの味噌汁
漬物 梅おにぎり のり
※おそらく人数が減ってきたので、梅や海苔という貴重食材がいきわたるのだろう。
さらに3月はまだ気温が低いので、電源の落ちた冷蔵庫の中身も悪くなっていないようだ。

【お客さん帰路につく】
(確か)夕食のあと、福島から大型バスが到着。わざわざ山形まで給油に行って来たと聞いている。
かすかに見えたテレビ情報では『岩手・宮城で大地震』とばかり言っていたので、
山形や福島は比較的に被害が少なかったのだろうか?
東京の実家、家族、友達は大丈夫なのだろうか?
全然関東、東京のことはうわさに聞かない。
でも、ここは宮城の皆が苦しんでいるのに、「東京が心配だ」とは言えない。
ここにいる仲間、みんなはここが故郷なのだから。

話しを戻すと、諸事情のあった1名のお客さんだけを残し、
約50名のお客さんが東京行の大型バスに乗り込んだ。
我々ホテルの全従業員はお見送りをした。
調理場も、フロントも仲居さんも、事務所もみんな、みんなで。
着替えていない薄汚れた白衣、制服のまま。
お見送りをした。
フロントホールから駐車場までの長い長い廊下の両脇にたって、
全お客さん、ひとりひとりと涙ながらに握手を交わしながらお見送りをした。
「ありがとう、ありがとう」
「頑張ってね、頑張ってね」
「大変なのに、本当にありがとう」
みんな、涙であふれていた。
※客室にはお客さんからの感謝・お礼の手紙が多数書き残されていた。

【久しぶりの入浴】
確か総支配人から『いい知らせがある』との事。
施設管理の方々の奮闘で、温泉が使えるそうだ。
お客さんのお見送りが済んだので、気付けに順番で入ってよい!とのこと!!
ただし、水はないので、温度に気を付けて、洗い流すのも温泉なのでぬめぬめ、ざらざらする。
それでもいい!みんな喜んだ。
地震のあと、一番嬉しかった出来事だ。

まだ、電気もガスもない、ガソリンもない。当然携帯電話も通じないが、
このまま、政府か何かの助けが来るまで、皆で協力していれば生きていける。
節約して協力していけばいいんだ。
と思い、客室で寝た。

明日、大変な事が起きる事を知りもせずに・・・

続く

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