板前まかない日記~昔取った杵柄~第3弾:煮物を炊こう!

◆普段は家で自分のためには「料理」を作らない板前さんへ家メシのススメ◆第3弾:煮物を炊こう!

突然自宅待機になった板前・料理人・調理師の方々へ伝えたい・・・元板前のまかない語録(^^)/

【まかないで鍛えあげた速さ・リーズナブル・うまさの活用法】

『家メシ』すれば元氣・生氣を取り戻し、やる氣が出てくること間違いなし!!

私は2011年まで約20年間、横浜・新宿・池袋・宮城県の計7つのホテルや料亭で和食の板前をしてきました。その中で

「ひとの氣持ちが解らないヤツに『煮物』なんて出来るわけがない!」

と師匠のSさんに教わった私は、『ひとの氣もちと煮物との関係は何だ??』

『そもそも、ひとの氣もちとは何だ?』とずっと考えながら仕事をしてきました。

※ちなみにこのセリフは師匠が私に向けた言葉ではなく、別の人に向けて話してくれた考え方です(-_-;)

当時、板前3年目だった私がたどり着いた考え方は、

『煮物もひとも素材の活かし方が最も大事』

なのではないか?という答えでした。

例えば・・・煮物の代表素材の大根。夏大根と冬大根とでは水分量が違うので、火が通るまでの茹で時間が季節によって変わります。皮の厚みも違うので、剥き方も変わります。甘みも違うので、調味料の入れ方や量も変えて行きます。

季節だけではなく、大根一本一本の個体差でも違う、それどころか保存状態によっても素材の状態は常に変化していきます。

もしもそれらを無視して、決められた大きさに切り、決められた通りに煮るだけだとしたら、大根の本来のおいしさを活かしたと言えるでしょうか?

大根は同じ畑で収穫されて、同じ段ボールに入って納品され、見た目が同じでもものすっごく硬い大根が一本だけ入っている時がごくまれにあります。そんな時、それに氣づかずにそのまま他の大根と見た目が同じだからと言って同じように下茹でし、炊いたらどうなるでしょうか?

芯がかたくてガリガリの触感。味はしみないので、大根特有の

『他の素材のうまみを取り入れる』事は出来ません。

逆もまたしかりです。素材の保存状態が悪く、しなしなの大根を柔らかく煮過ぎた場合、煮崩れて溶けてしまうと歯ごたえもなく

『他の素材の見た目と味を邪魔したり、もたれかかる』事になってしまいます。

さらに大根と一緒に何を煮るか?も重要です。おでん、野菜の炊き合わせなどをするときに何を組み合わせるかのポイントは『出汁が出る素材』と『出汁を吸う素材』の関係性。比率と量です。

おでんは昆布、さつま揚げ、厚揚げなどが味(出汁)を出し、大根、こんにゃく、玉子が味(出汁)を吸います。大根や玉子が好きだからとそれだけを調味料で煮てもおでんのおいしさにはなりません。

出汁を出す担当と吸う担当の相乗効果により、おでん特有のおいしさになるのです。

まさに煮物界のワンチームなのであります!(笑)

おでん盛り合わせ

【煮物界のワンチームおでん】(※言い訳しますっ!!写真は載せるつもりなく撮ったので盛り付けがださい…(-_-;))けどうまい!!(^^♪

こんにゃく牛蒡大根煮

【野菜の炊き合わせ】大根とこんにゃく(吸う素材)を炊くのに、ありあわせの中から〔出す素材〕昆布、牛蒡、干しするめを発見!味と香りは抜群の出来でしたが見た目に不満(笑)次回からは人参と青味も入れます\(^o^)

 

 

 

【本題:結論】煮物とひとの氣もちとの関係とは?

①煮るもの=素材の特徴を見極める。⇦ひとと接する時は相手の立場を考え尊重する。

➁素材の状態を見極める。⇦ひとと接する時は相手が今、どんな状況か見極める。(落ち着いているのかバタバタしているのか、体調が悪かったり、落ち込んではいないか)

③素材の茹で方、味付けの仕方を見極める。⇦ひとと接する時はどんなアプローチをすれば相手へ伝わるか?考えて発言する。

④素材の下ゆで時に竹串を刺し芯まで火が通ったかを確かめる。味付け後にあたりを見る(味見をする)⇦ひとと接する時は相手にわたしのアプローチがきちんと伝わったか確認する。

⑤それぞれの素材には何を炊き合わせたら良いか考える。⇦ひとと接する時はその人の得手不得手は何か?誰とチームを組ませたら馴染みやすいのか?どんな役割をまかせたら開花するのか?などを見極めて環境を整える。

全ての行程で『煮方と人間関係のコミュニケーションの取り方』が一致しています。

つまり、これらの スキルとマインドを同時に身に着ける ことによって、

人間関係のコミュニケーションの事、人間哲学を料理の修行を通じて學べる素晴らしい職業であり生き様。

それが料理人なのです!!!

新型コロナショックで内食の機会が多くなっている今こそ、いつもは仕事としてお客様のために作っている『まかない的家メシ』で煮物を炊いて、あなた自身で楽しむべし!

職場の環境で仕事として作る料理、家の環境で自分のために作る料理。両方の視点から同じ料理を作ることにより、自分が

『料理に対してどんな想いがあるか』

が、わかると思います。
そこから未来に向けて自らの「腕」をどのように磨いていきたいかが視えてくる筈です。
それが自然と、

あなたが転職する際や、あなたの料理長など 上司への自分のポリシーをアピールするチカラ として 発揮できるようになる

と、心から祈っています。

あなたが自分のために作る『まかない的家メシ』は、味覚と胃袋だけでなく、日常生活のやる氣がみなぎり自分自身のこころと身体全体がよろこびますよ~(^_-)-☆

 

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